2024 年 38 巻 4 号 p. 635-641
胆道シンチグラフィ所見より乳頭括約筋機能不全合併が示唆された胆嚢ジスキネジアの1例を経験したので報告する.症例は41歳の女性.16歳頃より心窩部から右季肋部における鈍痛,不快感を自覚し,多施設を受診し諸検査,投薬されるも改善が認められなかった.当科受診1年前より右季肋部から背部にかけて耐え難い疼痛が出現し,精査目的に当科受診した.採血や画像検査で器質的疾患は認められなかったが,胆道シンチグラフィにて胆嚢収縮率,総胆管胆汁排泄率はおのおの14%,57%といずれも低下しており,胆嚢ジスキネジアと乳頭括約筋機能不全の合併と臨床診断した.治療として胆道内圧上昇予防のため内視鏡的乳頭括約筋切開術を先行した結果,背部疼痛の消失を認めた.加えて,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し,右季肋部の鈍痛も消失した.術後経過良好であり,術後3年再燃は認められていない.