胆道
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中部胆管癌に対する胆管切除術の評価
木下 壽文中山 和道今山 裕康蓮田 啓奥田 康司
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1998 年 12 巻 2 号 p. 143-148

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抄録
中部胆管癌の根治術式としては膵頭十二指腸切除術が基本術式であるが,胆管切除術でも長期生存例がみられる.今回は中部胆管癌に対する胆管切除術の適応について検討した.胆管切除術の非治癒切除因子はhw因子:61.5%,dw因子:76.9%,ew因子:69.2%,n因子:30.8%で,dw因子が最も多く,n因子も高率であった.根治度別累積生存率では治癒切除と非治癒切除との間に有意差を認めた.3年以上の長期生存例は7例で,肉眼型は乳頭型:1例,乳頭浸潤型:2例,結節型:3例,特殊型:1例で,全例治癒切除であった.累積生存率を胆管切除術と膵頭十二指腸切除術とを比較すると有意差はなかった.胆管切除術の適応は肉眼型は乳頭型,結節型でリンパ節転移がなくStage I症例で,特に高齢者や全身状態不良例には有用な術式と考えられる.
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