胆道
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胆嚢炎を発症した胆嚢コレステローシスの1例
木暮 道夫今泉 俊秀増田 浩松山 秀樹
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2003 年 17 巻 2 号 p. 119-124

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抄録

60歳男性.以前より,胆嚢にびまん性のコンステローシスを指摘されていた.右上腹部の腫脹・疼痛を主訴に,当院を受診した.腹部エコーにて胆嚢の腫大,壁肥厚に加え,全域にわたる最大径2mm程度の hyperechoic な小隆起性病変を多数認め,胆嚢炎,コレステローシスと診断した.結石やポリープは指摘できなかった.切除標本で胆嚢全域にコレステローシスが見られ,胆嚢は腫大し,壁はやや肥厚していた.胆嚢頸部から胆嚢管にかけての内腔に, 折れ重なるように黄白色のコレステローシスが群生していた. 胆嚢管壁も一部肥厚が見られた.これらのことから,胆嚢管から胆嚢頸部にかけてのコレステローシスにより,胆嚢内の胆汁の流出が妨げられ,胆嚢炎を生じたものと考えられた.胆嚢管,胆嚢頸部のコレステローシスの存在は,コレステロールポリープの脱落・嵌頓例と共に, 胆嚢炎の原因となりうると考えられた.

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