胆道
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腹腔鏡下胆嚢摘出術症例における総胆管結石合併胆嚢結石症の診断と治療法
胆嚢癌併存の検討と合わせて
糸井 隆夫中村 和人祖父尼 淳糸川 文英森安 史典井上 敬一郎斎藤 準小沢 隆土田 明彦青木 達哉
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2004 年 18 巻 2 号 p. 119-124

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抄録
胆嚢結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)前の総胆管結石の診断および治療を, 胆嚢癌合併の観点からも検討した. LC施行予定の胆嚢結石例の15%に総胆管結石合併を認め, 全例内視鏡的乳頭切開術(EST)により採石可能であった.US,CTの総胆管結石検出感度は90%, 正診率は82%であった. US,CTで結石なしとした2%に,DIC/MRCPで結石を認めた.LC前にERCP/EST施行した群の平均入院期間は20日と, 未施行群の11日よりも有意に延長していた.これまでに当院で経験した胆嚢癌107例中胆嚢結石合併は42例(39%)に認め,結石症例は無石例に比べて術前診断が困難であった.術前癌診断が困難で, LCが施行された症例を4例に認めた. LC前に総胆管結石と胆嚢癌の検索は必須であり, これらの検索に対する標準的な検査法の確立が望まれる.
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© 日本胆道学会
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