胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
総胆管結石に対する内視鏡的乳頭バルーン拡張術の長期成績
花田 敬士日野 文明梶山 梧朗
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 18 巻 2 号 p. 189-192

詳細
抄録

比較的小型で少数の総胆管結石に対する, 内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)の長期成績を検討した. 過去7年間に施行した143例のうち, 完全排石後2年以上の経過観察が可能であった91例を対象とした. 観察期間は2年~6.8年, 平均は3.9年であった. 胆石の再発は9例(9.9%)に認められ, 再発までの平均期間は3.6年であった. 再発結石の平均径は7.9mm, 平均個数は1.7個であり, いずれも一期的に排石可能であった.一方, 4年経過した1例に胆嚢癌の発生を認めた.また, 胆嚢発癌の1例および結石再発9例中4例は, 胆道内胆汁のアミラーゼが3.000IU/l以上と高値であった. このことから, EPBD施行後の長期観察例に膵液が胆道胆汁に逆流する症例が存在し, 膵・胆管合流異常と同様の病態を惹起している可能性があり, 今後さらなる多数例での検討が必要であると考えられる.

著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top