胆道
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壊死に陥った稀な胆嚢ポリープの2例
森 泰寿山口 幸二田邊 麗子渡部 雅人中村 雅史許斐 裕之長田 盛典田中 雅夫
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2005 年 19 巻 4 号 p. 516-522

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抄録

壊死に陥った稀な胆嚢ポリープの2例を経験したので報告する.
症例1は76歳, 女性.2003年4月, 当院にて上腹部USで胆嚢内に4~5cmの隆起性病変を指摘され, 当科入院した. 腹部MRIで胆嚢底部に内腔に27×17mm大のポリープを認め, T1でhigh intensity, T2でlow intensityであった. 腹腔鏡下胆嚢摘出術を行い, 病理組織診断では, 壊死に陥ったBenign polypoid lesionであった.
症例2は年齢61歳, 男性. 2004年2月検診の上腹部USで胆嚢頸部に19×18mm大のポリープ状の腫瘤を認め, 精査の結果, 胆嚢癌と診断され当科入院となった. 諸検査で胆嚢体部近位側にカリフラワー状の2.5cm大の腫瘤を認め, MRIで腫瘍の表面がT1強調画像にてhigh intensityとして描出された. S4a+S5切除術, 肝外胆管切除術(D2)を施行した. 摘出標本では, 腫瘍の表面が一部壊死物質に覆われた腺癌の診断であった.
壊死に陥った胆嚢ポリープの組織所見と術前画像診断とを照合すると, 壊死部はMRIのT1強調画像でhigh intensityを呈していた.

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