胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
Precutを施行した選択的胆管挿入困難例の検討
窪田 賢輔藤澤 聡郎稲森 正彦阿部 泰伸桐越 博之齋藤 聡中島 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 20 巻 1 号 p. 11-16

詳細
抄録

通常の挿入法で胆管挿管不能のため, triple lumenのneedle-knifeによるprecutpapillotomeを使用した連続13例を選択的胆管挿管困難例とし, 傍乳頭憩室の有無, narrowdistal segmentについて検討した. 同時期の通常のEST施行例(n=23)と比較した. 選択的胆管挿管困難例では傍乳頭憩室を認めなかった. ERC所見で, 通常のEST施行例と比べ, 7mm程度長いnarrow distal segmentが, 選択的胆管挿管困難例に影響したと考えられた.選択的胆管挿管困難例に対しtriple lumenのneedle-knifeによるprecutは, 切開後のガイドワイヤー操作, 造影が一連の流れで施行でき, 成功率が92.3%と高く, 安全に施行できるが, 出血, 膵炎などの合併症に注意し, 慎重に行うべき手技と考えられた.

著者関連情報
© 日本胆道学会
次の記事
feedback
Top