胆道
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尾状葉に限局した肝内結石症の1例
閑啓 太郎鴻巣 寛塚本 賢治小野 真田中 善之久保 速三松田 明糸井 啓純園山 輝久内藤 和世山岸 久一岡 隆宏
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キーワード: 尾状葉, 肝内結石症
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1990 年 4 巻 4 号 p. 494-498

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抄録

肝尾状葉に限局して存在した肝内結石の1症例を報告した.症例は28歳の女性で右季肋部痛と嘔気, 嘔吐を主訴に来院. 精査の結果, 左肝外側区域の肝内結石症と診断し,外側区域切除術を施行した.ところが切除肝には結石の存在を調めず,術中再精査したところ左尾状葉に結石の存在を認めた. このため左尾状葉切除を追加し手術を終了した,切除尾状葉には限局性の嚢腫状拡張を伴った2本の胆管枝と計15個のコレステロール系胆石が確認された.肝尾状葉に結石が存在していたという報告例は比較的多くみられるが,それらはすべて他の部位の肝内結石を伴っており,本症例のように尾状葉のみに結石の存在を認めた例は極めて稀と考える.本症例は肝内結石症の成因や診断を検討する上で興味ある症例と思われた.

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