抄録
症例は,76歳女性.発熱,全身倦怠感,食欲不振を主訴として来院した.既往歴は,急性膵炎(59歳,63歳),胃潰瘍にて胃切除術(70歳).US,PTCにて十二指腸内結石,十二指腸憩室内結石と診断した.それぞれ径40mm,30mm大で,各1個であった.体外衝撃波結石破砕療法を施行し,2個の破砕片と十二指腸内結石の水平脚内への移動が得られ,結石の乳頭部への圧迫が解除され血清アミラーゼ値も速やかに下降した.本例は,乳頭部狭窄を認めたことより手術を施行した.摘出結石の中心部の成分はビリルビンCa 68%,ステアリソ酸Ca 32%で,下降胆石と考えられた.