谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
レクチャー2 ミニブタ
2-5 動物実験技術者の立場から:マイクロミニピッグの使用経験
奥田 陽
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2014 年 2014 巻 16 号 p. 38-41

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抄録

 近年、イヌ及びサルに代わる実験動物としてブタが注目されている。ブタは食性や睡眠行動、脂質代謝、循環器系の解剖学的特長などでヒトとの類似点が多く、実験動物として有望視されている1,2)。特に欧州ではすでにイヌ及びサルの年間使用数を超える数のブタ(ミニブタ)が研究に用いられている3)

 マイクロミニピッグはベトナム産のポットベリー系ミニブタを起源に作出され、富士マイクラ株式会社が生産する超小型の実験用ミニブタである。従来の実験用ミニブタが適用月齢(6~9ヵ月齢)で20~30 kg、2歳齢で40~50 kgまで成長するのに対して、マイクロミニピッグは適用月齢(6~9ヵ月齢)で約10 kg、2歳齢で18 kg程度とミニブタより小型であり、ビーグル犬とほぼ同程度の大きさである。近年、マイクロミニピッグを薬物の安全性・薬効評価に用いるべく様々な研究が進められており、弊社でもマイクロミニピッグを用いた各種データの蓄積や検査技術の向上に努め、その成績を報告している。本稿では、弊社におけるマイクロミニピッグの各種試験の実施状況について紹介するとともに、そのサイズ感や実際の取扱いなどの実験動物としての使用感について動物実験技術者の立場から紹介したい。

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© 2014 安全性評価研究会
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