2022 年 11 巻 4 号 p. 199-205
造血幹細胞移植患者に対する就労支援と就学支援の2021年現在の実践状況を明らかにするため,中国地方の血液内科と小児血液腫瘍科の25施設31名の医師にアンケートを送付し,18施設,23名(74%)から回答を得た。就労支援の窓口は12施設(67%)が開設していたが,相談件数は半数以上が年間0件であった。自施設の就労支援体制について十分であると評価したのはわずか3名(14%)であった。就学支援の経験がある血液内科医は17名中3名(18%)と少なかった。7名(41%)がオンライン授業の経験があると回答した。自施設の高校生・大学生の就学支援体制について全ての施設が十分でないと回答した。これらの結果により,就労・就学支援体制は施設により差があり,改善の余地があることが明らかになった。多職種,他機関との協力関係を構築し,AYA世代を含む全ての患者を支援する体制の必要性が示唆された。