仲地 佐和子, 北村 紗希子, 森近 一穂, 中島 知, 宮城 理子, 上間 道仁, 横田 雄太郎, 宮城 敬, 狩俣 かおり, 山入端 敦 ...
2025 年14 巻3 号 p.
130-134
発行日: 2025年
公開日: 2025/07/15
沖縄県では1990年代より血縁者間骨髄移植が行われるようになり2000年以降は年間約40例で推移している。沖縄県の移植医療の特徴として離島や僻地の医療を担う責務に加え,難治性で移植が必要な成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者の頻度が高く血液悪性腫瘍に対する移植医療のニーズに対応する県内完結型の医療体制が不可欠であることが挙げられる。医療事故や血液内科医の不足から琉球大学病院における造血幹細胞移植はこれまでに2度の中断を余儀なくされ,バンクを介した移植が実施出来ない時期が長く続き,患者は経済的・精神的・身体的に大きな負担を強いられてきた。その後,非血縁者間移植施設の認定を再取得し,現在では沖縄県内の血液内科専門8施設中,唯一,琉球大学病院のみで実施している。沖縄県の移植医療の経緯と今後の課題について概説する。
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