日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
造血幹細胞移植における運動療法の意義と実際
武清 孝弘市川 雄大木口 大輔中村 和司田仲 勝一青木 卓也名和 由一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 13 巻 1 号 p. 21-32

詳細
抄録

 造血幹細胞移植(移植)患者は,移植治療に伴うさまざまな移植後合併症や活動性低下により,筋力や持久力などの身体機能低下,不安・抑うつなどの精神機能低下,倦怠感の出現,心理面への影響が生じる。これらが原因となり,日常生活活動能力や生活の質(QOL)は移植後大きく低下する。移植入院中の運動療法を中心としたリハビリテーションは,身体機能・QOL維持,倦怠感の軽減などに対して有用であり,有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラムの実施が推奨されている。移植患者に運動療法を実施する上では,通常の運動療法のリスク管理に加え,骨髄抑制期に生じる貧血や血小板減少に対しても運動強度やプログラムに留意する必要がある。本総説は移植患者(主に同種移植)に対する運動療法の意義と介入におけるリスク管理などについて概説する。

Fullsize Image
著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top