日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
沖縄県における造血幹細胞移植医療の現状
仲地 佐和子北村 紗希子森近 一穂中島 知宮城 理子上間 道仁横田 雄太郎宮城 敬狩俣 かおり山入端 敦大濵 昌代友寄 未希友寄 毅昭福島 卓也益崎 裕章
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 14 巻 3 号 p. 130-134

詳細
抄録

 沖縄県では1990年代より血縁者間骨髄移植が行われるようになり2000年以降は年間約40例で推移している。沖縄県の移植医療の特徴として離島や僻地の医療を担う責務に加え,難治性で移植が必要な成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者の頻度が高く血液悪性腫瘍に対する移植医療のニーズに対応する県内完結型の医療体制が不可欠であることが挙げられる。医療事故や血液内科医の不足から琉球大学病院における造血幹細胞移植はこれまでに2度の中断を余儀なくされ,バンクを介した移植が実施出来ない時期が長く続き,患者は経済的・精神的・身体的に大きな負担を強いられてきた。その後,非血縁者間移植施設の認定を再取得し,現在では沖縄県内の血液内科専門8施設中,唯一,琉球大学病院のみで実施している。沖縄県の移植医療の経緯と今後の課題について概説する。

Fullsize Image
著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top