2025 年 14 巻 4 号 p. 234-246
本邦では免疫不全患者の帯状疱疹(HZ)発症率と疾病負担が増加している。2種のHZワクチンが50歳以上で承認されているが,そのうちの不活化ワクチン(RZV)が2023年より18歳以上のHZ高リスク者も対象になった。本総説では,本邦におけるHZ高リスク者の疫学,RZVの国際共同試験におけるHZ高リスク者(造血器腫瘍,固形腫瘍,腎移植,自家造血幹細胞移植)のデータ(日本人データ含む)を解説する。RZVは忍容可能であり強固な免疫応答を示した。また造血器腫瘍,自家造血幹細胞移植集団において有効性を確認した。