抄録
本研究は,従来の概念に挑戦して,全長0.5m以下の超小型模型を用いた高速艇の抵抗試験法を開発することを最終目標として,その第一歩として実現可能性の調査を行った。超小型模型を含む相似模型に対し,姿勢拘束模型の流体力計測を行い,揚力,トリムモーメントおよび抵抗係数に及ぼす尺度影響を実験的に明らかにし,流体力データに尺度影響補正を施した航走姿勢シミュレーションを行った。その結果,スケールの違う船体の航走姿勢および抵抗を比較的精度良く推定でき,超小型模型を用いた抵抗試験法の可能生が検証された。[graph]