1986 年 72 巻 16 号 p. 2153-2168
これからの製鋼技術の課題として,1)鋼の高純度化および2)製鋼プロセスの連続化に着目して具体的な例といくつかの研究項目を示した.またこのような課題を選んだバック・グラウンドの一つとして鉄鋼生産の変遷について調査した結果の一部を示した.
流動・伝熱・組成変化を伴う高温界面現象や反応・酸化物の吸収,流動・凝固を伴う非定常伝熱現象,オンライン・センサー技術などこれからの技術と科学の課題は豊富であり,かつクリエイティブな展開が期待される.
電気炉の量的発展と技術的発展は目ざましい.今後の製鋼技術は国別,地域別などそれぞれの状況に応じて,鉄鋼需要,エネルギー事情,原料需給,生産規模などに対応した展開と技術開発が進められることになる.鉄鋼の研究・開発に関して最近印象に残つた言葉を引用して結びに代えることとする.
The key to the future lies in doing more effective, rather than more expensive, research.
Bill DENNIS, AIME