1988 年 74 巻 10 号 p. 1939-1945
MgO飽和BaO-Cr2O3-FetO(-BaF2)系スラグと含クロム溶鉄間のりんおよび硫黄分配比を1550~1650℃で測定し,以下の結果を得た.
(1)りん分配比はクロム濃度が低く,BaO濃度が高いほど大きくなる.
(2)Phosphate capacityの値はBaO濃度が高く,低温ほど大きくなり, Sulfide capacityはCr2O3濃度が低く高温ほど大きくなる.
(3)含クロム溶鋼および含クロム溶銑の脱りんではC濃度の増加に伴つて脱りん率は上昇するが, C濃度がある値以上になると脱りん率は低下することについて平衡論的考察を行つた.