1992 年 78 巻 10 号 p. 1554-1560
20段ゼンジミア圧延機における振動を実測し,振動解析モデルを作成して解析することにより,その振動現象を明らかにした.
(1)圧延パスまたは鋼種が変わっても実測された振動数はほぼ同じである.
(2)圧延機の振動測定において実測された振動数は700Hz付近が顕著である.また,スピンドルトルクの振動数は圧延速度20m/minにおいて200Hz付近に,圧延速度170~240m/minにおいて700Hz付近に顕著に表れる.
(3)解析モデルで算出した固有振動数は,ロールおよびハウジング系のモデルにおいては700Hz以上であり,駆動系のねじり振動モデルにおいては50Hzから460Hzの範囲にある.
(4)本解析モデルによる計算結果は実測値の主な振動数とほぼ一致した.
以上から本ZR22型ゼンジミア圧延機は700Hz近傍の固有振動数を有していることが判明した.