鉄と鋼
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グロー放電分光法とラマン散乱分光法によるステンレス鋼薄酸化皮膜の構造別厚みの定量
古主 泰子増田 正純
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1999 年 85 巻 2 号 p. 143-148

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抄録

100nm程度の多層酸化皮膜の成長挙動の解明のため,各種分光法による構造解析と,厚みおよび深さ方向の組成分析の組合わせを提案し,ラマン散乱分光法とGDSの併用法を用いて解析した.
(1)SUS304冷延板の短時間加熱時に生成する薄い酸化皮膜も長時間のものと同様に,スピネルとコランダムからなる.
(2)スピネルとコランダムの膜厚を推定し,その成長速度を求めた.
(3)スピネルよりコランダムの成長速度が温度依存性が大きい.
(4)スピネル成長速度は高Mnの方が大きく,コランダムの成長速度は逆に小さい.
(5)コランダムの成長速度の温度依存性は高Mnの方が大きい.

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