本研究では,筆者の研究室が参加した,大学と連携したまちづくり事業について報告し,その成果と課題をとらえるとともに,大学が一セクターとしてまちづくり事業に参加することの意義を明らかにすることを目的としたものである。事例として取りあげるのは福島県会津地域で開催された「漆の芸術祭」の事業評価と,福島県石川町におけるまちづくりへの支援活動である。前者については,展示会場となった各商店の調査から,地域とアーティストとの交流を深める必要があることを指摘した。また,後者については,筆者らが行った各種のまちづくり支援活動についてその内容を紹介するとともに,それらの活動から導き出された「提言」の骨子を示し,大学との連携活動によって得られた成果を示した。