季刊地理学
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研究ノート
中学生・高校生を対象とした地理院地図を用いた水害の自然素因分析実習の実践と成果
瀧本 家康川村 教一
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2022 年 74 巻 2 号 p. 57-67

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抄録

 中学生・高校生を対象として,地理院地図を用いて外水氾濫の自然素因を見出させる授業を実践した。本実践では,河川の作用によって形成される微地形を取り上げ,2019年の茨城県久慈川の水害および2004年の兵庫県円山川の水害における自然素因を見出すことを学習課題として,地理院地図を活用して収集した地形の成因や標高などの情報をもとに想定される自然素因を発表させた。その結果,地理院地図の基本的な機能を活用する技能,地理情報をもとに推論する思考力・表現力・判断力等においてほとんどの生徒が達成目標に至った。その際,生徒は色別標高図を選好する傾向にあった一方,地形断面図を利用することは少なかった。地形や地形図の初学者である生徒にとって,標高差が面的かつ異なる色の情報として得られる視認性の良い図の方が微地形の判読には有用であることが示唆された。地理院地図の機能は,生徒の地理に関する学力の実態を踏まえたうえで活用することで学習効果が期待できる。

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© 2022 東北地理学会
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