本研究では経済活動としての開発行為の検討を通じて, 仙台都市圏での大規模宅地開発の展開過程の中でみられる諸特徴の変化の要因を明らかにすることを課題としている。
そのために, 最初に不動産資本の運動に関するこれまでの研究を概観し, 開発行為の主要な担い手とみられる民間開発業者の行動原理を導きだした。次に, これに基づく民間開発業者の活動が, 地域においてみられる大規模宅地開発をめぐるいくつかの条件の下でどのように展開するのかを理論的に検討した。最後に, 以上のことに基づきながら, さらにその他の諸条件も考慮に加えて, 仙台都市圏での大規模宅地開発の展開過程を概観した。その結果, 仙台都市圏でみられる大規模宅地開発の特徴の変化は, 基本的には民間開発業者の活動によってもたらされたとの結論がえられた。