季刊地理学
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瀬戸内海・頭島 (岡山県日生町) 周辺の花粉分析による植生変遷史の研究
藤木 利之守田 益宗三好 教夫
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1998 年 50 巻 3 号 p. 189-200

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抄録

岡山県日生町にある頭島で採取された44mボーリングコアの花粉分析を行った。このコアは粘土・砂質粘土・砂・礫・腐植土・火山灰から成る。2,368-2,360cmで21,100±400yrB. P. という14C年代測定結果が得られ, 1,900-1,890cmでアカホヤ火山灰, 2,540-2,360cmで姶良火山灰が確認されている。
分析の結果, 9花粉帯と2無化石帯が認められた。サルスベリ属の花粉が出現する層を温暖期, 化石花粉の出現しない層は寒冷期と考えると, このコアは4回の温暖期 (KS-9, 8, 6, 4-1) と3回の寒冷期 (KS-7, 5, BZ-2, 1) に堆積したものである。KS-4~1は後氷期である。

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