季刊地理学
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夏型気圧配置下における中部日本の局地気圧系の日変化
仁科 淳司
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2000 年 52 巻 2 号 p. 131-140

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抄録

地上気圧の時別値データを用いて, 中部日本の局地気圧系の日変化を, 1992年7月25日21時~27日3時 (ケース1) と1991年8月14日18時~15日24時 (ケース2) について明らかにした。両ケースとも共通して日中に局地低気圧が発生, 発達し, 夜間に消失した。850hPa付近の上層風向が西寄りであったケース1では, 夜間に局地高気圧の発生が明瞭であったのに対し, 東寄りであったケース2では, 夜間の局地高気圧の発生は不明瞭であった。前報 (仁科, 1997) で指摘したこと, すなわち局地気圧系の発達が単純に地面の加熱及び冷却だけでは説明できない可能性は, 両ケースにも共通して指摘できた。また, 1992年7月28日早朝に,「原田渦」に相当すると考えられる局地低気圧の発生が見られた。

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