日本ハイパーサーミア学会誌
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腹腔鏡技術を利用した鎖電極による内部加温法の基礎検討
齊藤 義明市田 隆文堀 潤一
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1996 年 12 巻 4 号 p. 393-400

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抄録

本研究では, 腹腔鏡を使用した手術を想定し, 変形可能な電極を内部RF加温のアプリケータとした腹部臓器の癌温熱治療を実現するための基礎的加温特性を調べることを目的とする.加温電極として変形自由度が大きい金属製の鎖状のものを用い, 折り返して設置した場合, 螺旋状に設置した場合, 放射状に設置した場合, および重ね合わせて設置した場合の加温特性を調べた.生体と電気的特性が等価なファントムを対象として加温を行った結果, 不関電極に平行になるように重ね合わせて設置することにより, 電極の直径の範囲で集中的な加温を実現することができた.
腹腔鏡手術を想定して, 変形自由度の大きい鎖電極を加温電極として用いた内部加温法に関する基礎実験を行った.鎖電極を4種類の形状にした加温実験を行った結果, 不関電極と平行になるように鎖電極を重ね合わせて配置することによって, 一枚の平面状電極と同様に, 電極に挾まれた領域を均一に加温することができ, 癌組織のみを有効に加温できる可能性を示した.
今後の課題として, 更に加温特性が良好で変形自由度が大きい電極を選定すること, および動物実験により加温特性を確認することなどがあげられる.

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