Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー
スフィンゴ脂質の生体内機能—マウス胚発生と神経機能—
Tadashi Yamashita
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2009 年 21 巻 121 号 p. 290-301

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抄録

スフィンゴ脂質のほとんどは,細胞膜と細胞内膜構造に存在する。その細胞膜上では,多くは raft や caveola と言われる糖脂質とコレステロールに非常に富んだドメイン構造をとって存在する。その細胞外側には,GPI アンカー蛋白質など,細胞間情報伝達分子の受容体が局在し,細胞質側には,src ファミリーキナーゼが結合しており,細胞外から細胞内への情報伝達に関与している。一方,これまで生体内では,その機能が不明であった事象がノックアウトマウスを解析することにより,明らかになってきた。その結果,スフィンゴ脂質は,マウスの初期発生からその存在が必須であり,かつシグナル伝達や各種免疫反応,さらに高次機能に深く関わることが明らかになった。

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© 2009 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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