Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
ミニレビュー
脳におけるシアリダーゼの活性分布と役割
Akira MinamiTakashi Suzuki
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 24 巻 137 号 p. 112-121

詳細
抄録
酸性糖であるシアル酸は哺乳動物の脳内に豊富に存在し、神経機能に重要な役割を担う。糖鎖からシアル酸を脱離するシアリダーゼもまた、神経の分化や発達、記憶形成など多くの神経機能の調節に関与する。我々は最近、高感度なシアリダーゼ活性検出法を利用してラット脳内のシアリダーゼ活性をイメージングしたところ、ミエリンを豊富に含む白質領域において強いシアリダーゼ活性が検出されることを見出した。また、記憶形成に関与する海馬では、興奮性神経である苔状線維の神経終末に比較的強いシアリダーゼ活性が検出された。本稿では、脳内のシアリダーゼ活性の分布について紹介するとともに、ミエリン及び海馬におけるシアリダーゼの役割を考察する。
著者関連情報
© 2012 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
前の記事 次の記事
feedback
Top