2018 年 30 巻 172 号 p. SJ1-SJ10
ガレクチンは、β結合をしたガラクトースを特異的に認識するレクチンで、およそ140アミノ酸からなる糖鎖認識ドメイン(CRD)を持つ。哺乳類のガレクチンは、ガレクチン1~15が知られており、ガレクチンの個々のCRDは異なる糖鎖親和性を持つ。ガレクチンCRDと各種糖鎖とのX線結晶構造解析からCRDの糖鎖認識機構が明らかとなってきた。ガレクチンは、通常2つのCRDが会合して2価の糖鎖結合部位を持ち、糖鎖と糖鎖を架橋することにより機能していると考えられている。2つのCRDの空間配置とガレクチンが持つ機能との関係は大変興味深い。ガレクチンのX線結晶構造解析では、CRDの空間配置についていくつかの様式が報告されている。ここでは、ガレクチンの3D構造について、タンパク質・リガンド相互作用と糖鎖親和性との関係、およびガレクチンCRDの空間配置に焦点を絞って述べる。