Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本糖質学会編集論文)(日本語)
ムチン型糖鎖の神経系における機能
木下 貴明 伊藤 和義西原 祥子
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2018 年 30 巻 174 号 p. J77-J82

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抄録

糖鎖は、神経系において、神経回路形成や記憶・学習などの高次機能などに関与する。O-結合型糖鎖であるムチン型糖鎖は、消化器系などの上皮細胞が分泌するムチンや、免疫系などで機能するT-cell immunoglobulin and mucin domain(TIM)タンパク質に多く存在する。また、癌細胞では、一部のムチン型糖鎖が高発現しており、診断マーカーとして用いられている。以前我々は、ムチン型糖鎖のT抗原が、ショウジョウバエの神経系で高発現していることを明らかにしたが、神経系でのムチン型糖鎖の機能は、ほとんどわかっていなかった。

本総説では、最近我々が報告したショウジョウバエ神経におけるT抗原の機能を中心に、哺乳類と無脊椎動物の神経系におけるムチン型糖鎖の機能を記述する。

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© 2018 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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