Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
真核生物における枝作り酵素の構造と機能
鈴木 龍一郎鈴木 英治
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 32 巻 185 号 p. J19-J28

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抄録

枝作り酵素(BE)はα-グルカンのα-1,4-グルコシド結合を切断し、転移反応によってα-1,6-グルコシド結合から成る分岐の形成を触媒する。BEの分布(α-グルカン代謝)は、原核生物では普遍的である。一方真核生物では、一部の分類群に限定される。原核生物由来および真核生物由来BEは、一次構造類似性に基づいてそれぞれ別のサブファミリーに分類されている。陸上植物は複数のアイソザイムを有しており、これらのin vivoでの機能が変異体解析によって解明されている。最近の研究から植物由来のBEは、in vivoで他のα-グルカン生合成関連酵素と相互作用し、タンパク質–タンパク質複合体を形成することがわかってきた。この複合体形成はアミロペクチンの効率的な生合成に重要であると提案されているが、意義は未解明である。真核生物では、イネとヒト由来BEについて、結晶構造が明らかにされている。両者は同一のドメイン構成から成り、糖質加水分解酵素ファミリー13に共通した触媒ドメインを有している。最近、筆者らはシアノバクテリア(光合成原核生物)由来BEについて、活性中心にマルトオリゴ糖が結合した状態の結晶構造を報告した。一方、真核生物由来BEの構造機能相関は、未だ解明されていないのが現状である。本稿では真核生物由来BEに焦点を絞って、機能と高次構造について概説する。

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© 2020 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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