Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
アミロイドーシス病態における硫酸化グリコサミノグリカン糖鎖の役割
西辻 和親 内村 健治
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2021 年 33 巻 196 号 p. J141-J145

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抄録

タンパク質ミスフォールディング病では規則的な線維状構造をもつタンパク質凝集体が細胞内外に沈着する。タンパク質は試験管内において単独で凝集可能であるが、生体における線維状凝集体の沈着物はタンパク質凝集体そのものに加え、様々なタンパク質性あるいは非タンパク質性の構成物を含有する。このような非タンパク質性の構成物はタンパク質ミスフォールディング病の病態に深く関与する。グリコサミノグリカン(GAG)は非タンパク質性の構成物の一つとして観察される。GAGは哺乳類におけるほぼ全ての臓器で認められるヘテロ多糖である。GAGは硫酸化修飾を受け、その度合いやパターンがGAGとタンパク質リガンド間の相互作用における特異性の決定因子となる。本ミニレビューでは、タンパク質ミスフォールディング病の最も多い形態であるアミロイドーシス病態に硫酸化GAG糖鎖がどのように関与するのかについて、最近の知見に基づき概説する。

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© 2021 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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