Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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マウスモデルの解析から明らかになった細胞質ペプチド:N-グリカナーゼ、NGLY1の生理機能
藤平 陽彦
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2024 年 36 巻 211 号 p. J52-J55

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抄録

細胞質ペプチド:N-グリカナーゼ(PNGase、NGLY1)は、ミスフォールドした糖タンパク質からN型糖鎖を切り離す反応を担う糖鎖加水分解酵素である。NGLY1は細胞質における糖鎖の分解(非リソソーム分解機構)、タンパク質の品質管理機構の一つである小胞体関連分解、転写因子NFE2L1の活性化に寄与する。ヒトNGLY1遺伝子の変異が原因で、全身に重篤な症状を呈するNGLY1欠損症の報告以来、NGLY1の生理機能は注目を集め、その解明に向けた研究が、様々なモデル生物(マウス、ショウジョウバエ、線虫など)を用いた研究も含めて大きく進んできた。本稿では、その中でも特にマウスモデルの表現型解析によって明らかになってきたNGLY1の生理機能に着目し、現在までに得られている知見を紹介する。

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