Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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再循環するグリピカン (ヘパラン硫酸プロテオグリカン) におけるヘパラン硫酸の分解と再生
Lars-Åke FranssonMattias BeltingGudrun EdgrenMats JönssonKatrin ManiArtur SchmidtchenPernilla Wiik石原 雅之
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1998 年 10 巻 52 号 p. 81-94

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抄録

ヘパラン硫酸側鎖を持つプロテオグリカンの一種であるグリピカンの構造を概説する。グリピカンはその膜結合様式により極性細胞の頂面に局在したり、小胞に高濃度で移行することができる。さらにこの膜結合様式により、グリピカンは特異的酵素により脂質アンカーから遊離することも知られている。ヘパラン硫酸側鎖はまず、エンドグリコシド分解を受け、大きめのオリゴ糖が生成される。引き続き、このオリゴ糖は末端基のエクソ分解を受けることになる。本論では特に、細胞内への取り込み、エンドソムでの部分的分解、その後のコアタンパク質の再循環と細胞表面への復帰を支持するデータを紹介する。また、糖鎖分解 (酵素的そして非酵素的) や残ったコアタンパク質の切り株への糖鎖再合成の意義を記述していく。何人かの研究者は、細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンは増殖因子、ポリアミン-DNA複合体、ウイルス、微生物の細胞内取り込みのための役割を果たしていることの証明を与えた。極性細胞では、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの再循環機構がトランスサイトーシス (transcytosis) における運搬媒体としての役割を果たしていると考えられている。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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