Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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胎盤の超低硫酸化コンドロイチン4硫酸とその胎盤マラリアへの役割
Channe GowdaRajeshwara AchurArivalagan MuthusamyKeiichi Takagaki井堀 信行
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2004 年 16 巻 92 号 p. 407-420

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抄録

マラリア地帯の住民は一般に、成人するとマラリアに対する免疫を獲得する。しかし、妊娠した女性は以前自然に免疫を獲得したにもかかわらず非常にマラリアにかかりやすく、特に初回の妊娠時にかかりやすい。それは表現型の異なる Plasmodium falciparum が、感染した赤血球 (IRBCs) の結合により胎盤で隔離されるためである。始めて妊娠する女性は、大きなレベルで胎盤のマラリア原虫にさらされないので、表現型に特異的な免疫を欠いている。それゆえ、妊娠中の感染は臨床での発現の多くと関連している胎盤マラリアを引き起こす。胎盤での P. faliparum IRBCsの結合は、胎盤の絨毛間腔に局在する低硫酸化アグリカンファミリーであるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンによって主に仲介される。IRBCの結合はコンドロイチン硫酸鎖の4硫酸化及び非硫酸化二糖単位両方の繰り返しの関与を必要とする。至適結合のために必要とされる最小の構造モチーフは二つの4硫酸化二糖類と四つの非硫酸化二糖類を伴った十二糖類である。IRBCの表面に発現された var 遺伝子群の産物である P. falciparum 赤血球膜タンパク1は、IRBC結合のためのリガンドとして提案された。この総説で、我々は胎盤コンドロイチン硫酸プロテオグリカン受容体の構造について現在の我々の知識と、マラリア原虫リガンドの同定、そしてIRBCが結合するために必要なコンドロイチン硫酸の構造を要約する。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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