Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
キシログルカンに特異的な酵素を用いたキシログルカンの構造解析
Yoji KatoSeiko ItoYasushi Mitsuishi
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 16 巻 92 号 p. 393-406

詳細
抄録

キシログルカンは、全ての高等植物の一次細胞壁の主要多糖である。イネ科植物とナス科植物から得られたキシログルカンは、大部分の双子葉植物から得られたキシログルカンに比べて、置換されていないグルコース残基をより多く有している。精製された、Penicillium sp. M451あるいは Geotrichum sp. M 128のキシログルカンに特異的なエンド-1,4-β-D-グルカナーゼ、精製した Geotrichum sp. M128由来のオリゴキシログルカンの還元末端に特異的なセロビオハイドロラーゼ、さらには Eupenicllium sp. M9由来のイソプリメベロース生成加水分解酵素は、イネ科植物およびナス科植物のキシログルカンのβ-1,4-D-グルカン主鎖のO-6位でキシロースが結合していないグルコース残基の配列を決定するために非常に有効である。本レビューでは、キシログルカンに特異的な酵素を用いた双子葉植物のキシログルカンの構造研究、さらにはイネ科ならびにナス科植物から得られたキシログルカンの構造研究について述べる。

著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
前の記事 次の記事
feedback
Top