Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ヒト赤血球の血液型抗原の構造と機能
ABH, ルイス, Ii, P関連, ダフィー, グリコホリンA
May-Jean KING内川 誠
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1991 年 3 巻 13 号 p. 315-326

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抄録
ヒトの赤血球型抗原は糖鎖抗原およびタンパク抗原に大きく分類することができる。糖鎖抗原にはABH, ルイス (Le), Ii, P関連抗原などがある。タンパク抗原についてはダフィー抗原 (Fya, Fyb) とグリコホリンAのMおよびN抗原をここでは取りあげた。ABHおよびIi抗原はバンド3, バンド4.5糖タンパクに結合しているポリラクトサミノグリカン、そしてポリグリコシルセラミドに存在している。Lea, LebそしてP関連抗原はスフィンゴ糖脂質として存在する。糖鎖抗原は赤血球上だけでなく、上皮細胞、臓器および分泌液中にも認められる。ある糖鎖抗原は本来の血液型とは異なった血液型抗原を腫瘍組織上に発現するため、腫瘍関連抗原として位置づけられている。ダフィー抗原およびグリコホリンAは赤血球系細胞にのみ認められている。ノウレシ・マラリア原虫 (あるいは三日熱マラリア原虫) と熱帯熱マラリア原虫の無性生殖で発育するメロゾイトは異なったリガンドに付着する。
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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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