抄録
bFGFのヘパラン硫酸 (HS) との相互作用は、bFGFの細胞受容体への結合、そして細胞増殖促進活性のために必要不可欠であることが明らかとなった。HSは構造的多様性を持った高分子で、N-硫酸化グルコサミン、そして様々なO-硫酸化残基よりなる高硫酸化クラスターと殆ど硫酸化されていないドメインとで構成されている。HSにおけるこの高硫酸化クラスターの形成は、グルコサミン残基のN-脱アセチル化とN-硫酸化の両方を触媒するHS-N-脱アセチラーゼ/N-スルフォトランスフェラーゼ(HS-NdAc/NST) の活性によって制御されている。最近の研究は、bFGFは2-O-硫酸化イズロン-H-硫酸化グルコサミン配列に富む高硫酸化クラスターを介してHSと相互作用をすることを示した。