抄録
令和2年のバリアフリー法改正により,バリアフリートイレは機能分散化を図り,高齢者や障害者等がトイレを適正利用できるようにすることが求められている。本研究は,青森県つがる市の公共施設におけるバリアフリートイレの設置状況及びバリアフリートイレの機能分散化の現状を把握することを目的とした。つがる市の公共施設20施設を調査対象施設とした。その結果,20施設のうち11施設のみ調査を行えた。バリアフリートイレは7施設にのみ設置されていた。バリアフリートイレの機能分散化はすべての施設で行われていなかった。高齢者や障害者等はバリアフリートイレを使用していることから,バリアフリートイレが設置されていない公共施設はバリアフリートイレを設置することが望まれる。ただし,バリアフリートイレを設置するためには各公共施設においてバリアフリートイレの設置予算を確保していくことが重要となる。また,バリアフリートイレを設置する場合は機能分散化に留意する必要がある。この調査研究の成果はつがる市におけるバリアフリートイレの機能分散化の推進の一助となる。