抄録
建築分野においてもドローンの活用が進んでおり,特に建物外壁点検においては実装の段階に入っている。この中で,ドローンを安全に運用するための一つの技術として係留装置の利用がある。本研究では,建物外壁点検において,係留装置を利用したドローン(係留式ドローン)の安全性と活用の有効性を検証した。ドローンによる外壁点検に係留装置を用いた場合のリスク低減効果について,代表的な安全装置と係留装置の分類と特徴を整理し,JIS B 9700によるハイブリッド法を基礎としてリスクアセスメントを実施した。その結果,外壁点検を対象とした係留装置の利用は,ドローンを利用する場合に想定される危険源に対するリスク低減効果があり,2点留装置は安全性が最も高かった。次に,高層建物を対象として,地上目視点検とドローンによる点検について比較した結果,ドローンによる点検では地上目視点検に比べて点検時間や調査人員を要したが,壁面全面においての係留装置による安全確保をしたうえで写真撮影が可能となり,ドローンの活用の有効性を示すことができた。