次世代移動体技術誌
Online ISSN : 2435-5453
建築物外壁調査におけるドローン活用の現状調査
宮内 博之二村 憲太郎茂木 雄司
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 6 巻 14 号 p. 134-145

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抄録
本研究は,建築物外壁調査におけるドローン活用の実態把握を目的とし,定期報告制度に関する告示改正後の環境整備状況と産業規模の変遷を考察した上で,外壁調査ガイドラインに基づくアンケートおよびヒアリング調査を実施した。調査対象は,赤外線装置搭載ドローンによる建築基準法12条点検に該当する外壁調査とし,実績を有する協力企業5社を選定した。アンケートの結果から,ドローンの活用は高層建築物での経済性と撮影精度について優位性がある一方,画像解析や事前準備の工数増加,安全性確保のための係留装置の導入方法などが課題として挙げられた。ヒアリング調査では,安全性と環境条件,顧客ニーズを踏まえた適切な調査手法の選択の重要性,及び法令遵守と人材育成の必要性が確認された。次に,目視による外観調査と12条点検に対して,既存調査とドローンによる調査の安全性とコストの評価を行った。その結果,高層建築物では安全確保の観点から係留装置の必要性が示された。ドローンによる外壁調査では,12条点検は外観調査よりもコストの優位性があり,高層建築物や大規模構造物で顕著であった。
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