日本作物学会東北支部会報
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米質に関する育種学的基礎研究 I イネ品種における粒大の変異ならびに他形質との関係
武田 和義
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1976 年 19 巻 p. 67-71

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抄録

広範な粒大の品種変異を供試して粒大の遺伝性, 他形質との関連などを解析した。結果の概要は, 1.粒大の品種変異は玄米1000粒重で6〜50gにおよぶ。2.一般に小粒性は主働遺伝子に, 大粒性は微働遺伝子に支配される。3.籾殻の厚さには品種間差異が認められるが, 粒大とは無関係であり, 大粒で粒形が丸いほど籾摺歩合が高い。4.種子の玄米重は幼苗の生育と密接な関係にあり, 大粒系統ほど幼苗が大きい。5.大粒品種では一般に玄米の見かけの品質が悪い。6.粒大と収量の関係は明らかでないが, いくぶん大粒の方が多収である可能性が示唆されている。7.穎と子房の大きさを支配する遺伝的要因は必ずしも共通でなく, 両者が甚しくアンバランスな場合に割れ籾, くびれ米などの畸形粒が発生する。

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© 1976 日本作物学会東北支部
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