発光ダイオード(LED)の照射による,タモギタケとナメコ栽培への影響を検討した。その結果,タモギタケの菌糸成長は,暗黒培養と比較して青色,緑色光照射により抑制され,特に青色光では,白色蛍光灯とほぼ同じぐらいに抑制された。また,青色光照射により,菌糸体重量が暗黒と比べて減少した。一方,ナメコでは,光照射による菌糸成長の抑制ならびに菌糸体重量の減少は,観察されなかった。次に子実体形成に及ぼす光の影響を調査したところ,タモギタケは緑色光と青色光において,成熟した子実体が発生した。しかし,緑色光で生育した子実体の菌傘は白色をしており,変形が目立った。一方,ナメコは,すべての試験区で子実体が形成された。しかし,緑色,黄色及び赤色光では菌傘が小さく,変形が生じるほか,暗黒下では,菌傘色も薄くなった。以上から青色光は菌傘の着色に有効であり,この波長領域を含む白色光も正常な子実体形成と着色に効果があった。