本研究では,カメラトラップを用いて山形県庄内地方における外来哺乳類ハクビシンの日周活動を明らかにした。2019年から2021年にかけて,山形県鶴岡市に位置する山形大学農学部附属上名川演習林周辺ならびに西荒屋周辺の林道沿いに計24台のセンサーカメラを設置し,ハクビシンの活動時間データを取得した。それぞれの地域で季節ごとにカーネル密度推定に基づく日周活動の推定をおこなった結果,いずれの地域および季節においてもハクビシンは顕著な夜行型であることが示された。ハクビシンの日周活動が一年を通して夜行型であり,ふたつの異なる調査地においても同様な活動パターンを示したことから,本研究の結果は,ある程度一般性のあるハクビシンの日周活動を示したと考えられる。