日本シミュレーション学会論文誌
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論文
新規な病態計測法:組織の伸展応答パターンにおける機械学習の活用
田上 幸歩鷹取 慧水谷 健一剣持 貴弘鶴山 竜昭池川 雅哉吉川 研一
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2022 年 14 巻 2 号 p. 133-137

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抄録

病理診断は,患者への適切な治療方針決定にかかわる重要な診断技術である.標準的な手法では,病理医が光学顕微鏡を用いてミクロレベルで病態組織を観察し,形態的特徴から診断を行っている.このような手法では,組織切片の顕微鏡観察において定量的な指標に基づいた診断を行うことは困難であり,病理医の経験によって診断が異なるといった問題点があげられる.そこで,本研究では,病態の進行度した組織切片の物理的特性に着目した新規な病理診断手法を提案する.私たちは,組織切片に張力を印加したときに生じるひび割れパターンが病態に依存することを発見した.さらに,このひび割れパターンについて,機械学習を活用すると,飛躍的に診断精度が向上することを明らかにした.

このことから,組織切片に生じたひび割れパターンを病理診断の定量的な評価指標として用いることで,信頼性の高い新規病理診断手法の確立が期待できる.

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© 2022 日本シミュレーション学会
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