日本シミュレーション学会論文誌
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核融合・プラズマ及び関連分野の研究に関する可視化研究特集
巻頭言
論文
  • 居樹 幸太朗, 平井 敬, 高橋 広人, 護 雅史, 鈴木 晴彦
    2026 年18 巻2 号 p. 18-27
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/31
    ジャーナル フリー

    地下構造(地層の厚さや固さなどの地盤情報)を知ることは,地震防災上重要である.地盤情報を知る方法としては,掘削をともなう方法と非破壊で行う方法がある.非破壊の地下構造調査方法のうち,表面波探査と常時微動に地震波干渉法を適用する手法に着目した.前者の手法は確立されており多くの適用実績がある一方,後者は未だ検討段階にある.そこで,本研究では同一測線にて上記2手法を適用して比較・検討した.その結果,表面波探査は比較的高振動数帯域,すなわち表層付近の地盤状況を,対して常時微動観測は比較的低振動数帯域,すなわち深部に対して高い分解能を有することが分かった.本研究で得られた結果の範囲では鮮明な地下構造を描写できなかったものの,適切な条件のもとであれば,表面波探査と常時微動に地震波干渉法を適用する手法を組み合わせることで,従来よりも広い深さ範囲で地下構造を推定できる可能性がある.

通常論文
論文
  • 伊藤 建一, 尾崎 敬允, 羽鳥 駿久
    2026 年18 巻2 号 p. 28-38
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/31
    ジャーナル フリー

    磁界方式人体通信は,外部環境の変化や姿勢の変化に対して高い頑健性を持ち,次世代のBody Area Network(BAN)を支える基盤技術として期待されている.著者らはこれまで,高Q共鳴結合による損失改善や生体安全性の立証,実機による通信距離の延伸について明らかにしてきた.本研究では,将来的な多機能通信およびネットワーク構築を見据え,従来のシングルバンド方式の拡張として,単一のコイルで2つの共振点を持つデュアルバンドコイルを提案した.数理モデルに基づき6.78 MHzおよび13.56 MHzで動作する素子定数を算出し,送受信回路要素を組み込んだ3D有限要素モデルを用いて信号損失特性と電磁界分布を評価した.シミュレーションの結果,設計通り2つの周波数帯において鋭い共振特性が得られることを確認した.従来のシングルバンドコイルと比較して,共振周波数における信号損失を大幅に低減できることを明らかにした.また,腕の折り曲げ等によるコイルの角度変化に対しても通信特性が安定しており,ウェアラブル端末としての高い実用性と頑健性を立証した.

  • 野村 政宗, 西 廉斗, 太良尾 浩生, 武居 周
    2026 年18 巻2 号 p. 39-47
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/07
    ジャーナル フリー

    本研究では,将来的に火傷部位から感電部位を予測する逆解析手法開発に向けた接触電流-熱伝導連成解析(以後感電解析)コードの開発をオープンソースソフトウェア:ADVENTURE_Thermalの定常・非定常解析機能を用いて行う.本解析では,境界条件付与のために微小ボクセルで構築される解剖学的数値人体モデルの表面情報を抽出する必要がある.しかしながら,現状の数値人体モデルは皮膚-外部の境界において点接触・辺接触になる箇所があり,数値解析において必要となる表面情報の抽出が不可能となる.そこで本研究では点接触・辺接触になる箇所にボクセルを追加,面接触にし,数値人体モデルを修正するコードを開発した.その結果,増加するボクセルは1%以下に収まり,人体表面に自由に境界条件を付与することを可能にした.連成解析機能を追加したADVENTURE_Thermalで直立姿勢モデル・座位姿勢のモデル・しゃがみ姿勢のモデルで感電解析を行った結果,直立姿勢モデルに比べて,座位・しゃがみ姿勢のモデルは感電部位のほかに屈曲している関節部位付近で高い電流密度・温度上昇が見られ,また90°以上になると顕著に温度が大きくなり,場合によっては,関節部位にも火傷を生じる可能性があることが分かった.以上のことから,火傷部位と感電部位は必ずしも一致しない可能性があり,本手法を順解析とした逆解析手法の必要性を示すことができた.

  • 荻原 岳都, 村田 仁樹
    2026 年18 巻2 号 p. 48-56
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/15
    ジャーナル フリー

    近年,物理法則を損失関数に組み込むニューラルPDEソルバが注目を集めている.本研究では,各エッジに学習可能な1変数関数を配置する新しいネットワーク構造であるKolmogorov-Arnold Networks(KAN)をニューラルPDEソルバに適用した際の有効性と限界を,トポロジカルソリトンを対象として明らかにする.具体的には,1次元キンク解を題材に,Physics-Informed Neural Networks(PINN),著者らが提案する差分法ベースのNeural Network for Differential Equation(NNDE),およびそれぞれにKANを組み込んだKAN-PINN・KAN-NNDEの計4モデルを,精度(MSE)と計算コスト(学習時間)の観点から比較する.さらに,KANの性能を左右するBスプラインのグリッド数に着目し,精度と計算コストのトレードオフにおける適切なグリッド密度を検討する.本研究は「KAN × トポロジカルソリトン」という観点から系統的なベンチマークを与え,ニューラルPDEソルバの手法選択に資する指針を提示する.

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