日本シミュレーション学会論文誌
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学生論文特集
  • 東 誠太, 武田 和大, 原 崇
    2021 年 13 巻 2 号 p. 48-58
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/08
    ジャーナル フリー

    計算量が多く時間がかかる問題を短時間で計算できる分散並列処理を実現する技術としてオブジェクト共有空間がよく用いられている.しかし,そのモデルはサーバ・クライアントモデルであるため,オブジェクト共有空間を提供するサーバにアクセスが集中する構造である.従って,クライアントが多くなるほど,ネットワーク通信のボトルネックが生じて,分散並列処理の性能向上を阻害してしまう.このため,分散並列処理において性能指標である台数効果は,クライアントが多くなるほど減少するという問題がある.

    本研究では,クライアント間で通信を行うことができるP2Pを用いて,分散並列処理を実現するシステムを構築した.ブロードキャストを使用した参加依頼と参加要求およびユニキャストを使用したクライアント間通信によって,P2Pを用いた分散並列処理を実現した.さらに,P2Pによる通信などシステムの主要な処理は,具体的な計算処理とは独立するソフトウェア構造とした.

    評価の結果,オブジェクト共有空間を用いた既存法と比較して,分散並列処理の計算性能の向上を確認した.さらに,クライアントが多くなっても台数効果が減少しないことを確認した.また,従来よりも少ないファイル数とライン数で,分散並列処理を実装することが可能となった.

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