1988 年 16 巻 3 号 p. 221-224
ブユ属のなかでruficorne種群は旧大陸に広く分布するが, 東洋区とオーストラリア区にそれぞれ分布する2種では, 未吸血性卵巣発育が知られている。そこでこの種群の大半が分布するエチオピア区の種についても, 同様の性質が見られるかを検討するため, ナイジェリアのプラトー州の数箇所でこの種群に属する2種のブユ, S. ruficorneとS. nigritarseについて羽化後の卵巣発育を調べた。その結果, いずれのブユ種でも蔗糖を与えただけでは卵巣はIa期のままで全く発育しないことが分かった。