Toyama Medical Journal
Online ISSN : 2758-6014
Print ISSN : 2189-2466
症例報告
皮膚病変を認めず,速やかに改善したVibrio vulnificus敗血症の一例
渡辺 史子北 啓一朗三浦 太郎小浦 友行黒岩 麻衣子吉田 樹一郎山城 清二
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 27 巻 1 号 p. 34-37

詳細
抄録
 症例は67歳男性。前日の生魚の経口摂取後に悪寒戦慄を伴う高熱を呈し当科受診,血液培養よりVibrio vulnificus敗血症と診断した。入院後抗菌薬治療を開始し,壊死性筋膜炎やショックに陥ることなく数日で速やかに改善した。患者は感染リスクとなる肝硬変や免疫抑制を来す疾患を有していなかった。本菌による感染症は一般に重篤で予後不良な疾患と認識されているが,本例のような軽症例も存在することが確認された。今後軽症例を集積することで,Vibrio vulnificus感染症の全体像が明らかになることが期待される。なお,本症例は富山県における最初の報告である。
著者関連情報
© 2016 富山大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top