Toyama Medical Journal
Online ISSN : 2758-6014
Print ISSN : 2189-2466
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足趾狭力:静的立位バランスにおける重要因子
長谷 奈緒美長谷 一吉野 修寺西 敬子金森 昌彦
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2025 年 35 巻 1 号 p. 33-40

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抄録
 高齢者における運動機能の低下や神経障害は,しばしば生活の質(QOL)低下の危険因子となる。特に歩行障害,下肢筋力低下,バランス低下を伴うことが報告されている。しかしながら,このことに関する足趾機能の役割については明確ではない。そこで,本研究は、高齢者の足趾機能とバランス力との関連性について調査した。対象は70名(男45名,女25名;平均年齢は68.5歳)で,足趾機能(足趾狭力と足趾じゃんけん動作),足趾・下肢筋力,静的立位バランス力(SSB),動的バランス力(3m-TUG)について調査を行った。その結果,足趾狭力の平均は右2.5±6.5kg,左2.1±1.6kgで,足趾・下肢筋力評価,静的立位バランスとの関連性が有意に認められた。しかしながら,じゃんけん動作や動的バランス力(3m-TUG)との関連性はなかった。そのため足趾挟力を鍛えることで静的立位バランスを改善できることが示唆された。
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© 2025 富山大学医学会
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