本研究は、自閉スペクトラム症のある青年3名に対して「悪質商法の勧誘を断る行動」の指導を行い、①悪質商法の勧誘を断る行動の獲得、②直接指導をしていない悪質商法への般化、③悪質商法と悪質商法ではないものの適切な弁別、の3つを検討することを目的とした。指導は①ルールの提示、②シミュレーション訓練、③トレーナーからのフィードバックの順に行った。ルールの提示には、悪質商法の勧誘の断り方が収められたビデオとルールシートを用いた。シミュレーション訓練は、外出条件と在宅条件の訓練を行った。各条件には悪質商法課題と非悪質商法課題を用意し、訓練を行った。訓練後にトレーナーからフィードバックが行われた。結果は3名全員が指導した行動を獲得し、悪質商法と非悪質商法課題の弁別ができた。3名中2名は対人般化、1名は条件般化にも成功し、1名に関しては実際場面での般化のエピソードも確認された。